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第25回通常総会

 3月22日(火)、都未生流六世家元である大津光章氏を講師にお招きした待望の講習会が、センター2階会議室にて開かれました。
 京都商工会議所と併催の今回のセミナーは「花のいのちはみじかくて」のタイトルが示す通り、ワクワク感いっぱいのものでした。
 華道の家元だけではなく、浄土宗の寺院のご住職でもあり、また、NPO法人いけばなネットワーク21京都相談役など、多彩な肩書きをお持ちの大津先生は、それだけの視点から「花」を見つめ、結果得られた「花とは日本の文化である」との論点からいけばなに関するさまざまなお話をご披露くださいました。
 近来、わたしたちの周りから消滅しつつある里山には椿や椎などの照葉樹が植えられ、古来より日本人はその緑に枯れることのない神秘的な力を感じ取ってきました。また、八百万の神の言葉が示す通り、あらゆる自然やその現象に神を見いだし、よりどころとし、神が宿る目印を「依代」と定め、お正月には門松をしつらえて各家庭に神が訪れるよう準備をしました。
 一方、弔いの際や病人に向けられる花には「再生(回復)する力」を求めました。草花には、枯れても翌年、季節が巡ってくれば再び同じ花を咲かせる力があります。植物の再生する力を通じて、亡くなった人には魂の再生と輪廻を、病人には回復を願う精神が込められています。
 そのほかにも植物には、いけ方により、もてなしや独楽など、さまざまな表現が与えられてきました。いけばな自体の由来と表現に意味を常に問う姿勢が大切です。
 様々な講演会を通じ、知識を深め、技術を磨いていくことで、より精度の高い花屋になれるのではないでしょうか。ここ、京都はいけばなの発祥地という、他所にはない大きな特質を備えています。同じことなら、京都の文化を売るような花屋になりたいものです。
 お客様にとってのオンリーワンの花屋になるために、様々な機会を通し、学びの姿勢を身につけていきましょう。