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伏見支部研修旅行

「宮津へストックを訪ねて」

 2月16日(木)JA京都宮津支店「ストック」の産地を見学させていただきました。大雪の後に寄せていただき、いたるところに雪かきをした後がありましたが、研修当日は何とか雪のない状況で実施することができました。職員の方々に快く迎えていただき、まず、担当兼講師の谷垣氏から紹介があり、ストック部会の棚橋部会長さんといっしょにお話しを聞くことができました。説明の為の部屋を用意いただき、パンフレットやお茶も準備くださり、大変配慮されている様に感じました。ストックの生産は昭和57年から始まり、ピーク時の平成5年には48軒の生産農家がありましたが、現在(平成23年)では24軒162アールの生産面積とのことでした。巾約6m長さ約50mのハウスが70棟という状況で生産していますが、今年の雪は大きな打撃で、出荷と雪かきを同時に行わなければならず大変重労働になっています。


スットクの栽培状況を見学
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 メインの品種は3ツで「ホワイトアイアン」「チェリーアイアン」「マリンアイアン」で、以前は「ゆきなみ」「アサナミ」が中心でしたが、最近はアイアン系になっているとのことでした。また、京都生花以外の出荷としては、大原総合花き、なにわ生花、西日本の4ケ所とのことでした。
 「どの様な商品でも、必ずコストがかかるわけですが、そのコストを賄うのに最低必要な価格は?」という質問に対し、「1本70円から80円というところですね」という答えがかえってきました。ストックの生産で最も難しいのが、鑑別という作業で、種をまいて、葉が2枚出てきたところで、葉の分厚さや形を見て、八重を残して一重を捨てる、という作業を行わなければならないそうです。その見極めは経験と感で行うわけですが、ほおっておくと、一重と八重の割合が50対50になってしまうので、鑑別を行うことによって90%まで高めるそうです。また、出荷は冬ですが、8月から種をまき、鑑別を行うのが大変暑い時期で、重労働になり苦労が多い!とのことでした。その様な話しから、質疑応答が始まり、熱心に意見交換が行われました。「捨てる一重のストックを何とかお金にできるのでは」とか「50本入のケースは大変ありがたい」また「ストックが実際どの様な形で消費者に利用されているか」といった意見があり、双方の意見交換が活発に行われました。
 宮津支部で扱っている商品では、他に、小菊、日扇、しゃくやく、りんどう、トルコキキョウなどがあり、花以外では野菜の苗や、やまいもなどがある、とのことでした。
 現在の課題は、高齢化と後継者不足による栽培面積の減少で、これは宮津だけでなく、どの産地も同様も問題をかかえている様です。しかし、ハウス栽培でのストックの生産は、暖房をしないでも花が育つという特徴があり、経費的には大変助かっています。しかし、その反面、気候に左右されやすく、寒くてなかなか花が咲かないかと思うと、温かくなってすぐ開花する場合があり、ピーク時の出荷に合わすことがなかなか難しいなど、生産現場のご苦労を知ることができました。
 日ごろ見ることがない、生産現場を見学して、大変いい勉強になったことを付け加えておきます。今回の見学に際して、関係各位のご協力をいただきましたことを、厚く御礼申し上げます。

文責:伏見支部 吉村 正