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秋たけなわの11月17日、京都府産のコットンフラワーを用いた講習会が開催されました。

現在、京都府農林水産課を中心として府下でのコットンフラワー栽培が注力されています。令和2年に試験栽培が始まり、高齢化が進む生産者側にとっても農薬いらずで比較的容易に栽培できることが確認されると少しずつ携わる農家も増えていき、今年度からようやく出荷も可能になりました。

講習会ではそれぞれ異なるコットンを使ってテディベアとリース製作が進められました。

テディベアの講師担当はバラでおなじみの奥田さんです。新たにコットンフラワーの栽培にも着手され、現在「都(みやこ)っとん」の名で商標を申請中で、普及に努められています。

発泡スチロールのクマにつまようじで木工用ボンドを背中からまんべんなく伸ばしていきます。袋にお団子状で入っていたコットンをクマ全体にいきわたるように広げてから貼り付けていきます。広げたコットンは貼る際にもういちど綺麗なお団子に丸め直すと仕上がりがモコモコの可愛いクマになります。最後は全体を整えてフェルトの目鼻をつければ完成です。言葉では簡単ですがボンドを伸ばす作業やコットンを均等にかつ、クマらしくなるように貼っていくのはなかなか初心者にはてこずる作業でした。

続けて組合・木村さんによるリース作りです。材料は全て乾き物ばかり。フジのベースにジュートクロスを巻き付けることから始まります。4ヶ所ほどの麻ひもでしばったところに飾りをつけていきます。1ヶ所にいくつもの素材を重ね貼りしたい場合は、素材1つ1つにボンドをつけると落ちにくくなります。さきほどのクマ作りより皆さんにはよほど手慣れた作業で、フローリストとしてそれぞれのセンスを発揮しながら作品作りに取り組んでいました。

コットンフラワー全体の需給状況はほとんどが外国産で国産は愛知産が主体です。京都府下の生産状況は昨年末把握できている段階で農家が13軒、面積は約13a。これに対し出荷者数は8名、同じく面積は9aです。ただし、病害虫防除の要がなく、労働負担が少ないことが評判を呼び、試作を始める生産者が増え始めているため、実際の数字はもう少し大きいと考えられます。5月に種をまき、収穫は9月、乾燥を経て11月ごろに出荷されます。ひとつずつ丹念にガクを取り除く手間をかけるため、輸入物や他の産地のものよりワタ部分が美しいと大変好評です。なかでも外国産との大きな違いは一つの枝に間隔を分けて花が付くことです。従来通り花部分のみを使うことはもちろん、1本ものとしても扱える上に高さがある枝物としてディスプレイ用など、たくさんの可能性を持っています。

 

京都府では今後、消費と生産両輪の拡大に向け、さまざまなキャンペーンを予定しています。京花協の恒例行事になった役所生け込みにも京都府産のコットンフラワーがテーマになりました。コットンフラワーはもちろん、さまざまな場面で京都府産花き魅力を大いに伝えていきたいと思います。