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京花協の1年を〆る恒例行事となった「若松のお生花講習会」。松本先生の「これが始まるとせつろしいですね」の言葉に思わず全員が頷きます。

檜扇を含め、講習会は商工会議所さまの協賛による共同開催です。講習会に先立ち商工会議所さまが開催されているセミナーの案内やインボイス制度への相談窓口などが紹介されました。

寸胴の扱い方から水引の掛け方まで、さまざまな工程が2時間で収まるだろうか?という不安もなんのその、今回もわかりやすいテキストが用意され、実技編では2名のアシスタントの先生方からタイミング良くアドバイスや指導をもらうことができ、初めて受講する参加者も無理なく形作ることができました。

花屋にはあまり縁がない股木や留木、楔については特に時間をかけて丁寧な説明がありました。又木は松の枝を傷つけないよう角をけずる、寸胴にセットするときは留木の太さ分のスペースを持たせておく。洋花とはまた違う、見えない部分についての気配りに多くの学ぶ点がありました。

役割に沿って指定の寸法通りに切った枝を、順に横に4本を並べ、さらにその上に3本を積み上げてワイヤーで固定します。固定した7本を寸胴の又木にはめれば先生が「魔法」というほどに、自然と形はできあがります。あとは枝を押し下げながら「く」の字になるよう曲げ、全体を整えれば「生花風」が完成します。懐紙をかけ、水引をかければ出来上がりです。

生花ではない割り切ったやり方、格式ある三才格の若松を花屋向けに噛み砕いた「生花風アレンジ」に置き換えることができるのは、生花を知り尽くした松本先生だからこその技です。

多忙な年末の花屋を前提とした、たくさんの実用的なアイデアも伝授していただきました。24日までに生けあげて水につけた状態で保存し、24日以降は水から上げて保存。作り置きした水引は松と同じ太さの枝(ビンでも可)にかけて保存。発注に応じて取り出し、生け込み先で懐紙をかけて完成させると色々な意味でロスが防げます。たくさんの学びがある、充実の2時間でした。